マンション購入を検討し始めた際に、新聞広告やインターネット上の販売情報に注目する方も多いことでしょう。自分たちがその家でどんな生活するのか、想像するのも楽しいですよね。
とはいえ不動産は、決して安い買い物ではありません。購入前にはできるだけ多くの情報を得て、物件を判断する必要があります。
さて、マンション広告をチェックしていると「〇㎡(壁芯)」と記載されているのを見た経験はありませんか?わざわざ「壁芯」と記載する理由、そして壁芯面積と登記簿面積の違いについて、わかりやすく解説します。
床面積の表記方法は主に二種類
マンション販売時に、「面積」に関わる情報は非常に重要なもの。厳しい目でチェックしている方も多いことでしょう。
実はこの「床面積の表記方法」には、二つの種類が存在しています。
それが「壁芯面積」と「内法面積」と呼ばれるものです。
壁芯面積とは、住宅を構成している「壁の中心」の線を元にして面積を求めた数字となります。こちらは建築基準法に則った面積の求め方で、建築確認時にはこちらの数字が必要となります。
一方で内法面積は、壁の内側の線を元にして計算しています。実際に「住居」として使えるのは、「壁の内側部分」のみとなりますから、購入者にとってより重要なのは、こちらの内法面積の方だと言えるでしょう。
登記簿面積とは?
さて、もう一つ、マンション購入時に見かける面積の名称といえば、「登記簿面積」です。こちらは、登記簿に記載するために必要な面積情報を示す数字です。
基本的には「内法面積」で計算されていますが、柱の出っ張りなど、考慮されない部分もあります。完全に内法面積と同一ではないということを、頭に入れておきましょう。
ちなみに一戸建て住宅の場合は、登記簿にも「壁芯面積」が記載されていますから、「壁芯面積」と「登記簿面積」の違いは、マンションなどの区分所有建物の場合にのみ生まれるものです。
50㎡(壁芯)には要注意!
壁芯面積と登記簿面積。
両者に異なる数字が記載されているからといって、実際の室内空間が広くなったり狭くなったりするわけではありません。マンションの実物を見て「いいね」と思ったら、ご自身の感覚を信じるのがベストだと言えるでしょう。
しかし一点だけ注意するべきポイントもあります。
それが「壁芯面積が50㎡ぎりぎり」という場合についてです。
「それのどこが問題なの?」と思われるかもしれませんが、購入対象物件の面積が50㎡を超えることは、税金の各種優遇を受けるための条件の一つとなっています。
条件をクリアしているかどうかは、登記簿面積で判断されますから、壁芯面積だけをチェックして「よし!」と思っていると、実は面積が足りていない、というパターンもあり得るのです。
- 住宅ローン控除制度
- 相続時精算課税選択の特例
- 住宅取得等資金の非課税制度
- 不動産取得税の軽減措置
これらの制度の利用を検討している場合には、マンションの面積が登記簿面積で50㎡を超えている必要があります。
事前にしっかりと確認しておきましょう。