長野といえば、標高が高いことと海から離れた内陸の街であるため、夏はからっと晴れて冬は寒いことで有名です。そんな寒暖差の大きい長野の住宅選びで重要になってくるのは「断熱性能」ではないでしょうか。
そこで今回は長野で住宅を選ぶときに欠かせない「断熱」について解説します。
一戸建てやマンションを検討するときや住宅の建築を検討しているときなどは、どうしても目に見える「設備」や「間取り」に目が行きがちです。しかし、断熱性能は住み心地に直結するほか、光熱費の削減や結露の発生抑制にも役立つ重要な要素なのです。
また、断熱性能が十分ではない住宅で断熱性能をアップさせる裏技までお教えします。
ぜひ最後までお読みください。
そもそも断熱ってなに?
断熱とは、家の外の空気と家の中の空気を遮断することをいいます。
わかりやすくいえば「夏は涼しくて、冬は暖かい」そんな住宅を実現するのが断熱なのです。
なお、勘違いしてはいけないのは、家自体が発熱したり冷房効果があったりするわけではありません。あくまでも、室内で冷暖房をした空気が外気の影響を受けにくいために、効果が持続しやすくなるという性質を持つのが断熱住宅です。
断熱と遮熱との違い
断熱に似た言葉に「遮熱」というものがあります。断熱と遮熱は似て非なる言葉です。
断熱とは内気と外気の遮断を意味しますが、遮熱は太陽光の熱を室内に入れないことを指します。最も遮熱の効果が発揮されるのは、ずばり窓ガラスです。
夏場は室内で冷房をガンガンにかけていても暑さを感じることがあります。これは外気の太陽光が室内を暖めているからです。室内を暖める太陽光の影響を最も受けやすいのが窓ガラス、なんと73%が窓ガラスからと言われています。
出典:一般社団法人住宅生産団体連合会 「なるほど省エネ住宅」より
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/shoenehou_assets/img/library/naruhodosyouenejuutaku.pdf
断熱住宅のメリット
断熱住宅にはさまざまなメリットが存在しています。ここでは、断熱性能が備わった住宅のメリットについて解説します。
快適に過ごすことができる
断熱性が高い住宅では、夏は涼しく冬は暖かい生活を営むことができます。そのため、夏でも冬でも快適に過ごすことができるようになるでしょう。
光熱費が安くなる
断熱住宅では電気代やガス代が安くなることが期待できます。その理由は、冷暖房の効果が持続しやすくなることで、冷暖房の温度調整を控えめにすることができたり、稼働時間を減少させることができたりするからです。
なお、エアコンの温度を1度下げることで使用する電気代は約10%も下がると言われています。電気代高騰のいま、こういった生活費の削減は見逃せないポイントです。
結露が発生しにくい
朝起きると窓際がぐっちょり、そんな結露の発生も断熱住宅では抑制させることが可能です。なぜなら、断熱住宅では断熱材により内気と外気が遮断されるため、そもそも結露が発生しにくい構造になっているからです。
結露が発生しにくいだけで拭き取りの手間がなくなりますが、さらに良いことがあります。それは「住宅そのものが長持ちする」ことです。結露は窓枠を腐食させることもあるため、断熱住宅は住宅購入後のメンテナンス費用にも良い影響を与えるでしょう。
健康にも良い影響がある
外気の影響を受けにくい断熱住宅は、健康な生活を送ることにも役立ちます。なぜなら、室内の温度が一定に保たれるからです。
例えばヒートショックという言葉を聞いたことはありませんか?ご高齢の人がお風呂に入ろうとしたときなど、温度差により血圧が乱高下して血管や心臓に疾患をもたらす症状のことです。
断熱住宅では外気の影響を受けにくいため、廊下が極端に寒いとか2階が異常に暑いということもありません。過ごしやすさは当然のことながら、健康面でも優位性があるということができます。
断熱工法について
断熱住宅における断熱はどのようにして実現するのでしょうか。ここでは、断熱工法とそのメリットおよびデメリットについて解説します。
外断熱工法(外張り断熱)
外断熱工法(外張り断熱)とは、建物の外壁の内側において建物全体を断熱材で囲ってしまう工法のことをいいます。
建物全体を断熱材で包みこむため、気密性も高くなります。そのため、外気を室内に入れないことはもちろんですが、結露の発生を抑制することが可能です。
外断熱工法(外張り断熱)のメリット
外断熱工法(外張り断熱)のメリットといえば、やはり高気密高断熱にあります。上述した断熱性能に優れた住宅のメリットである、快適・健康・節約の全てを叶えることができるでしょう。
外断熱工法(外張り断熱)のデメリット
外断熱工法(外張り断熱)は、断熱材を建物全体に対して囲うように使用するため、壁が厚くなる点がデメリットです。敷地に余裕があれば問題ありませんが、狭小地では間取りの見直しなどが必要になるかもしれません。
また、新たに外断熱工法の住宅を建築しようとすると費用が高額になります。外断熱工法は上述のとおりメリットが多数ありますが、施工できる技術を持つ会社が少ないほか、後述する内断熱工法よりも手間がかかるため費用が高額になるのです。
内断熱工法
内断熱工法とは、建物の内側に断熱材を入れることで断熱効果を期待する工法のことです。外断熱よりも断熱効果が劣ると言われていますが、断熱性能自体が劣るわけではありません。
内断熱工法のメリット
内断熱工法の最大のメリットは、外壁に対して影響が出ないことです。狭小地などに自宅を建築しようとしている人には間取りの自由度が高くなるため適しているでしょう。
また、内断熱工法は外断熱工法と比較して安価に施工することが可能です。これは外断熱工法のように施工方法や断熱材が限定されているわけではないことが理由です。
内断熱工法のデメリット
内断熱工法のデメリットは、外断熱と比較したとき断熱効果が劣る点にあります。断熱効果が劣ってしまう理由は、内断熱工法特有の施工方法によるものです。
内断熱工法は建物の内側に断熱材を入れることで、断熱効果を得ます。しかし、どうしても柱など断熱材を設置できない箇所が発生してしまうのです。そのため、外断熱工法と比較したときに断熱効果が劣ることになります。
断熱性能をアップさせる方法
ここからは、断熱性能をアップさせる方法をご紹介します。今すぐに実践できるものから、大胆な方法まで、予算や状況に合わせてできることから始めてみてはいかがでしょうか。
カーテンを変える
最初に取り組みたいのは、カーテンを変えることです。カーテンを変えるだけで断熱性能が上がるなんて信じられない、そんな声が聞こえてきそうですが、断熱性能の変化は明らかです。
カーテンにはさまざまな効能が備わっています。主なカーテンの効能として、遮光・防音・防炎・遮熱・UVカット・保温性能などが挙げられます。上述のとおり、窓が外気から影響を受ける割合を考えるとカーテンを変えることで断熱性能がアップすることに、納得感があるのではないでしょうか。
窓をリフォームする
窓が断熱の鍵を握ることを考えると、窓をリフォームしてしまう方法が効果的です。なぜなら、説明のとおり窓の断熱性をアップさせることが、室内の断熱効果をアップさせることに直結するからです。
窓のリフォームといわれるとかなり大がかりな工事をイメージするかもしれません。しかし最近は技術が向上しているため、簡単に窓や窓枠をリフォームすることが可能です。
さらに、窓のリフォームには国が補助金を準備していますので、取り組みやすいリフォームということができます。
詳しくは、下記リンクを参照されてみてください。
出典:環境省 先進的窓リノベ事業
https://window-renovation2024.env.go.jp/
床下や天井に断熱材を施す
足元が冷えたり、2階が蒸し風呂になるなんていう経験は誰しもがあるもの。そんなときは、思い切って床下や天井裏に断熱処理を施す方法もアリです。
外壁への断熱処理などは省エネにも貢献するため、こちらも補助金の対象になることがあります。
詳しくは、下記リンクを参照してみてください。
出典:国立研究開発法人 長期優良住宅化リフォーム推進事業
https://r06.choki-reform.com/
断熱性能をアップさせて快適な生活を手に入れよう
今回は、住宅の断熱性能について解説しました。
不動産売買のシチュエーションでは見た目などに興味を示してしまいます。これは決して間違いではありませんが、いくらおしゃれで最新の設備が導入されていても、快適な生活環境が整っていなくては意味がありません。
これから住宅を取得したり建築したりしようとしている人は、ぜひ断熱性能について考えてみてください。
弊社:中部エースでは長野市で住宅用不動産に特化した売買仲介業を営んでいます。目に見える部分だけではなく、断熱性能のように目に見えない部分についても説明させていただきますので、長野市で不動産の購入を検討している人はぜひお気軽にご相談ください。