住宅や店舗などを建てるときに必ず出てくる言葉、「建ぺい率(けんぺいりつ)」。
これは、敷地面積に対して、どのくらいの面積まで建物を建ててよいかを示す都市計画の重要なルールです。
✅建ぺい率とは?
建ぺい率 = 建築面積 ÷ 敷地面積 × 100(%)
建ぺい率は、敷地にある程度の空地を確保することで、
- 採光・通風を確保する
- 火災の延焼を防ぐ
- 良好な市街地環境を保つ
といった目的のために設けられています。
📐用途地域ごとの建ぺい率の目安
建ぺい率は、土地の用途地域によって次のように定められています:
区分 | 一般的な建ぺい率の目安 |
---|---|
住居系地域 | 30%・40%・50%・60% |
商業・工業系地域 | 60%・80% |
🧮 建ぺい率の計算例
たとえば、敷地面積が60坪で、建ぺい率40%の地域なら:
60坪 × 40% = 24坪
→ 建築面積は最大24坪まで(残り36坪は空地)
📏建築面積(建ぺい率に含まれる面積)とは?
建ぺい率の計算に使う「建築面積」とは、建物を真上から見た水平投影面積のこと。
一般住宅では、1階部分の面積がこの建築面積に相当することがほとんどです。
✅ 含まれない(または一部含まれる)部分の例
- 軒・庇・バルコニー: 出幅1m以下は不算入。1m超過分のみ算入
- 地階のはみ出し部分: 地盤面から1m以下は不算入。超過分は算入
🟩建ぺい率の緩和について
一定の条件を満たすと、建ぺい率が10〜20%まで緩和(割増)されることがあります。
① 角地の場合(+10%)
角地とは、敷地が複数の道路などに面している場所のこと。
詳細な定義は自治体ごとに異なります。
▶ 長野市の角地緩和の基準(いずれか)
- 敷地周囲の1/3以上が道路・公園・広場・水面に接している
- 敷地周囲の1/6以上が幅員15m以上の道路に接している
- 敷地周囲の1/6以上が道路に接し、反対側が幅20m以上の公園・広場・水面など
② 防火地域で耐火建築物を建てる場合(+10%)
中心市街地などで、鉄骨造や鉄筋コンクリート造などの耐火建築物を建てる場合。
③ 角地+防火地域(+20%)
角地かつ防火地域において耐火建築物を建てる場合、建ぺい率はさらに上乗せされます。
⚠注意点
- 緩和の条件や適用範囲は自治体によって異なります
- 建築計画の前には必ず市区町村の担当課や専門家に確認を
✅まとめ
- 建ぺい率は、土地に建てられる建物面積の上限を決めるルール
- 地域ごとに30〜80%の範囲で定められている
- 角地や防火地域では緩和措置が受けられることもある
- 事前に役所や不動産会社に確認するのが安心