家を建てる・買うときに耳にする「容積率」。これは、敷地の広さに対して建てられる建物の延べ床面積の割合を示すもので、土地の使い方を決める大切なルールです。
✅容積率の基本ルール
容積率(%)= 延べ床面積 ÷ 敷地面積 × 100
- 延べ床面積とは、1階・2階・3階…すべての階を合計した面積のこと。
- この割合が大きいほど、建てられる建物の総面積が広くなります。
🏙用途地域ごとの容積率の目安
用途地域の種別 | 容積率の範囲 |
---|---|
住居系地域 | 60%、80%、100%、200%など |
商業・工業系地域 | 200%、300%、400%、500%、600%など |
✏️容積率の計算例
敷地面積が200㎡の土地で、容積率が:
- 80% → 200㎡ × 0.8 = 160㎡(延べ床面積)
- 200% → 200㎡ × 2.0 = 400㎡(延べ床面積)
⚠ 容積率どおりに建てられないケースもある
建築基準法により、以下の制限を受けるため、容積率の上限いっぱいに建てられるとは限りません。
- 道路斜線制限
- 隣地斜線制限
- 北側斜線制限
- 前面道路の幅員による制限
🚧前面道路が狭いと容積率が制限される
前面道路の幅が12m未満の場合は、以下のように容積率が制限されます。
用途地域 | 計算方法 | 例(道路幅6m) |
---|---|---|
住居系 | 道路幅 × 0.4 | 6m × 0.4 = 240% |
商業・工業系 | 道路幅 × 0.6 | 6m × 0.6 = 360% |
🛣 複数の道路に接する場合・複数の用途地域にまたがる場合
- 複数道路に接する: 最も幅の広い道路を基準にする
- 複数用途地域にまたがる: 各区域で延べ床面積を算出し、合計後に敷地全体で平均(加重平均)
🧮セットバックが必要な敷地の容積率
前面道路が4m未満でセットバックが必要な場合、そのセットバック部分を除いた敷地面積をもとに容積率を計算します。
🧩容積率の緩和・不算入の特例
実際には、次のような部分は容積率に含めなくてもよい場合があります(不算入):
- 車庫(一定面積まで)
- 地下室
- 共用廊下や階段など
- 吹き抜け、屋上テラスなど
これらの適用条件は自治体により異なるため、事前に確認しましょう。
✅まとめ
- 容積率は、敷地面積に対して建てられる建物の延べ床面積の割合を決めるルール
- 用途地域・道路幅・斜線制限などにより上限が決まる
- 加重平均やセットバックにも注意
- 不明な点は不動産会社や建築士、市役所で確認を