不動産広告でよく見かける「徒歩◯分」という表示。
その基準、ご存じですか?
実はこの表示には、不動産業界で定められた明確なルールがあります。
✅徒歩1分=80メートルの根拠
不動産広告では、徒歩1分=80メートルとして計算することが、不動産公正取引協議会が定めた「不動産の表示に関する公正競争規約」により義務づけられています。これは、公正取引委員会にも認可された業界の自主ルールです。
- 80メートルにつき1分
- 小数点は切り上げ(例:徒歩1分20秒 → 「徒歩2分」と表示)
🧐なぜ80メートル?——意外なエピソード
実際の平均歩行速度は人によって異なり、成人男性なら1分で90〜100メートルほど歩けるとも言われています。
ですが、業界では「老若男女すべてを平均した距離」にするため、当時の不動産公正取引協議会連合会の女性職員がハイヒールで歩いた距離=80メートルを基準にした、というエピソードも伝えられています。
🚦信号待ちや坂道は考慮されない?
不動産広告の徒歩時間には、以下のような事情は含まれません:
- 信号待ち
- 坂道や階段
- 地下鉄駅内の長い通路
- 学校の敷地内にある長いアプローチ
つまり、「徒歩5分」と書いてあっても、実際にはもう少し時間がかかることもあるのです。
🚌バスや車の「◯分」表示は?
バスや車の所要時間も表示されることがありますが、これもあくまで距離や平均速度から算出された目安。
待ち時間や渋滞、時刻表の間隔などは考慮されていません。
👟 やっぱり歩いて確かめるのが安心
広告上の「徒歩◯分」は目安としては便利ですが、実際の生活においては、以下のような点も重要です。
- 小学校までの通学路に歩道がなくて危険
- 夜になると人通りが少なくて暗い
- 坂道がきつく、高齢の家族には負担がある
など、数字では見えない「暮らしやすさ」は、実際に歩いてみないとわかりません。
🏡一度は歩いて確認を
購入を検討している物件が「もしかしたら一生住む家」になるかもしれないなら、現地周辺を自分の足で歩いてみることを強くおすすめします。
ちょっとした散歩のつもりでも、大切な発見につながることがありますよ。